選手権決勝は撃ち合い必至!? 流通経済大柏×前橋育英、過去10大会決勝から紐解く大一番

過去10大会で1-0は一度、オープンな展開に?

 次にスコアだ。トーナメント制の決勝は得てして膠着した展開になりがちだが、選手権でいわゆる“ウノゼロ”(1-0)に終わったのは09年度の一度しかない。数万人が詰めかける大舞台では、攻撃陣がそれまで以上の力を発揮すると同時に、守備陣の連係も一段階難しくなるのかもしれない。今大会勝ち上がった両校は流通経済大柏が無失点、前橋育英が1失点と堅守がベースにあるが、この傾向を払拭するのか、逆にオープンな展開になるかも興味深い。

 10年間の結果を見てみると、現在日本代表に名を連ねるストライカーが決勝で涙を呑んでいることも分かる。それはFW大迫勇也(鹿児島城西卒・現ケルン)とFW浅野拓磨(四日市中央工卒・現シュツットガルト)だ。

 今大会のイメージキャラクターの大迫は08年度大会で圧倒的な決定力を発揮し、10ゴール10アシストという“半端ない”記録を残した。ただファイナルの舞台で先制点を決めたものの、広島皆実との打ち合いに敗れている。

 3年連続同大会出場を果たした浅野も2年時の11年度大会で出場全試合連続ゴールを記録し、7得点で得点王に輝いた。しかし浅野も大迫と同じく、決勝で得点を決めながらも敗戦を味わった。ただ見方を変えれば両者とも、選手権での悔しさをバネにして所属クラブで活躍し、日本代表まで上り詰めたと言える。

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