「相当いいチームになる」と敵将も感嘆 惜敗の矢板中央、2年生が誓う1年後のリベンジ
本田監督も唸る「控えの層が厚かった」
49歳の高橋健二監督は試合後のドレッシングルームで、イレブンに泣きながら感謝の言葉を贈った。目を真っ赤にして会見場に現れ、「素晴らしい舞台で素晴らしい相手と、最後まで粘り強く戦ってくれた選手を褒めたい」と語った後、「稲見が苦しい時にチームをまとめてくれた。ジレンマや悩みもあったが、3年生が頑張ってくれた」と、試合内容についての言及より今大会の県予選まで無冠に終わり、厳しい船出だったチームを回想する言葉が口を突いた。
堅守と逆襲・速攻という原点に戻っての躍進。大会直前のプリンスリーグ関東参入戦を2試合とも無失点で制し、来季はプリンスリーグで鍛え上げる。
敵将・本田裕一郎監督は「控えの層が厚く、出てくる選手はみんな特長があった。2年生が多いから、次は相当いいチームになると思う」と言って唸った。高橋監督も同じく「2年生が半分以上いるので、基本を大切にしてプリンスリーグで揉まれたい」と新チームに期待する。
その2年生の板橋は「先輩から『来年があるから頑張れ』と言われ、泣いていたら応援席から『板橋、顔を上げろ』と励まされました。明日から自分たちがチームを引っ張っていきたい」と悔しさを封印。154センチの小兵ドリブラーは、矢板中央と栃木県勢の誇りを胸に再起を誓った。
【了】
河野 正●文 text by Tadashi Kawano
フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web
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