シュート数“1対31”の完敗も「ウチが大会で一番成長」 上田西が史上初の4強で得たもの

歴史を塗り替えて夢の舞台に立つも、前橋育英に1-6と大敗

 長野県勢で初のベスト4に入り、歴史を塗り替えた上田西のイレブンは悔しさを胸にしながらも爽やかに去っていった。6日の全国高校サッカー選手権大会は準決勝が行われ、上田西は前回大会で準優勝の前橋育英(群馬)の前に1-6と大敗した。

 シュート数「1対31」という公式記録が示す通り、ほぼ一方的に前橋育英が攻撃するゲームだった。上田西の白尾秀人監督は、5-4-1の布陣で守備を固めるところからスタートしたが、前半24分にセットプレーから先制されてプランは崩れてしまった。ロングスローが武器のFW田嶌遼介を前半のうちに投入したが、「相手は動じなかったし、相手が外にボールを出さないことでロングスローもさせてもらえなかった」と、白尾監督は完全に封じ込まれてしまったと脱帽した。

 準決勝こそ大敗したが、だからと言って上田西のベスト4に価値がなかったわけではない。初戦となった2回戦では実力校の京都橘(京都)を1-0で下し、3回戦は強風の吹き荒れるコンディションで帝京大可児(岐阜)の攻勢に耐え、ダイナミックなカウンターを武器に5得点を奪って勝利した。準々決勝でも明秀日立(茨城)に3-2で競り勝った。白尾監督も「価値のある3位という結果だと思います」と話した。

 チームで唯一のシュートチャンスとなった前半29分の好機で右足シュートを決めたFW根本凌は、「アジアで一番のスタジアムでプレーできて幸せでした」と話し、「全試合で得点できたのは攻撃の選手としては嬉しいです。上田市では新聞の号外が出たとも聞いて、負けてしまって悔しいですけど、自分たちは凄いことをしたんだと思いました」と、地元での盛り上がりが伝わってきたことに、歴史を塗り替えたことを実感していた。

 

page1 page2

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング