流通経済大柏に「加藤」あり 絶好調の“スーパーサブ”を生んだコンバートと経験
「チームを勝たせられる選手だと証明したい」
その加藤は、秋まではサイドバックをやっていた選手だった。本田監督は「サイドハーフをやらせてみたら非常に良いものですから。ただ、少し怪我をして休んだら太ってしまって。持久力がないので、途中からという役割にしています」とコンバートの背景を明かす。加藤は県大会の準決勝で左足を痛めてしまったが、サイドバックとしての経験が今に生きているという。
「サイドバックをやっていたことで、相手がどういうことをされたら嫌なのかを分かることが生きていると思います。監督が見抜いてくれたので感謝しています」
本田監督は加藤の決勝ゴールについて「まぐれで入った。もう1回、同じことをやってみろと言ってもできないようなのを決めて、ビックリしました」と話したが、加藤自身は小・中学時代にリフティングで培って自信を持つミートの技術がボレーシュートにつながっていると自信を持つ。そして、決勝の舞台で“まぐれ”でないことを証明すると力強く宣言した。
「最後だからスタメンで出られたら嬉しいですけど、チームの勝利のために走ります。そして、決勝も仕留めて1-0で勝ちたい。そういう舞台でチームを勝たせられる選手だと証明したいです」
大会4試合を無失点で勝ち上がった守備力に加え、途中出場で勝負を決めるスーパーサブがいることは過密日程の選手権を勝ち抜く上で非常に大きい。10年ぶりの選手権制覇と高校総体と合わせた夏冬二冠に王手をかけた流通経済大柏の決勝戦は、勝負どころで投入される「9番」が鍵を握るのかもしれない。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web
page1 page2