なぜ8強進出も涙? 矢板中央監督、主将MFに賛辞 そして思わず万感胸に迫り…

「全然勝てませんでした」で溢れた涙

 今季、矢板中央は結果が出なくて苦しんだ。新人大会は決勝で敗れ、関東高校大会予選は1回戦敗退、全国高校総体予選も準決勝で姿を消すなど、今大会予選前までは無冠だった。「昨日の2失点から守備が改善できた。高橋(大悟)君の決定的なシュートも体を張って守れたし、粘り強く守ってくれた。夏以降は勝てるようになったが、それまでは栃木で全然勝てませんでした」と言いながら、万感胸に迫るものがあったのだろう、高橋監督は涙を落とし始めた。「よくここまで来た」と言っては、さらに涙が溢れ出た。

 帝京(東京)を6度の優勝に導いたアドバイザーである名将・小沼貞雄氏からは、「ベスト8ではまだまだ」と言われたそうで、ここでようやく笑顔が戻った。

 矢板中央は昨年8月の第4回全日本ユースフットサル大会で、長岡向稜高校(新潟)を破り初優勝した。2年生主体のチームだったが、稲見は唯一の3年生として出場。中学の時にもフットサルの経験があるだけにお手の物だった。

 チームの過去最高成績は第88回大会のベスト4だが、稲見は「まずは先輩たちの成績を超え、最終目標は優勝です。佐野日大が去年4強入りしたのを見て、うらやましかったし悔しくもあった。来年は自分たちだと思っていましたから」と言い、栃木県勢として第29回大会の宇都宮以来となる67大会ぶりの優勝を見据えた。

【了】

河野 正●文 text by Tadashi Kawano

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web

 

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