明秀日立、33歳青年指揮官の秘策が的中 本番1か月前に体験した“疑似選手権”とは?

後半10分に“3枚替え”で攻撃のサイン 「失点する前から決めていた」

 2回目の全国にして8強に辿り着いた明秀日立(茨城)には、全国高校サッカー選手権特有の過密日程に対する綿密な対策があった。3日に行われた大阪桐蔭(大阪)との3回戦をPK戦の末に勝利(1-1/PK5-3)した明秀日立の萬場努監督は、昨年12月からこの日をにらんでいたことを明かした。

 明秀日立は大阪桐蔭戦で前半が強風の風下になり、守備を固める割り切った試合を展開。後半に風上に立ち、「ここから」という矢先に先制を許した。すると、萬場監督は後半10分に“3枚替え”を敢行。これは点差にかかわらずのプランだったという。

「先手必勝だという思いがありましたし、3人を同時に代えることは『ここから攻めに行くぞ』というサインをピッチに伝えるものでした。失点する前から、10分で3人を替えることは決めていたんです。連戦ということもありましたしね」

 この「連戦」というのが今大会における大きな要素だ。12月30日の開幕戦を戦うのは2チームだけで、他のチームは31日から1月8日までで最大6試合を戦わなければいけない。特に、明秀日立のような1回戦から登場する学校にとっては、新年に入って2日、3日に行われる2回戦と3回戦の連戦を乗り越えることが、上を目指すために重要な要素になる。

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