「松岡修造より熱い」 上田西、全国経験者の総監督も認める主将・大久保の統率力
前半に“狙い”の風下を取れずも5発快勝 「僕たちが走り負けることはない」
上田西(長野)は、第96回全国高校サッカー選手権大会3回戦で帝京大可児(岐阜)を5-0で下し、長野県勢として41大会ぶりの8強進出を決めた。その背景には渡邊善和総監督が課した猛練習と、「松岡修造より熱い」と言われるキャプテンによる求心力があった。
キックオフ前の時点で、置いていたボールが転がるほどの強風が吹き、試合に影響を与えることが予想された。上田西は前半に風下を取る作戦だったが、コイントスで敗れ、帝京大可児に風下を選択されてしまった。
キャプテンのDF大久保龍成は「みんなにゴメンと謝りました」と明かし。しかし、それは結果的に上田西に幸運を呼び込んだ。前半終了間際に右サイドのセンターライン付近で得たFKをMF丸山圭太が狙うと、追い風に乗ったボールはゴール左上隅へ。待望の先制点を奪ってハーフタイムを迎えた。
大久保は「正直、風下では得点できないと思っていた」と話したが、後半に入ると堅守から鋭いカウンターを繰り出し、得点を重ねた。終わってみれば、風下で4点を奪っての5-0の大勝劇。キャプテンによれば、それを可能にしたのは猛練習だったという。
「僕らの学校は土のグラウンドなので、雪が降ると使えません。だから、冬は走ってばかりですし、山道を使うこともあるので、陸上部+山岳部=サッカー部みたいになるんです。夏場の練習試合は40分×4本で、一人3本連続で出ることも多いです。だからこそ、僕たちが走り負けることはないですし、後半のように攻め込まれてゴール前を固めても、そこから3人、4人と前に出ていけるんです」
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