「この仕事に完全に自分の人生を捧げている」

　ベンゲル監督はファーガソン氏の持つ810試合の記録に並んだ際、こんな言葉を残している。

「もし私がデビューした時に810試合を指揮すると言ったら、それは不可能だ、狂っていると答えただろう。これだけの試合をこなすには忠誠心と献身性が必要で、私自身も懸命に働く必要があった。私はこの仕事に完全に自分の人生を捧げている」

　近年はなかなかリーグで成果を生み出すことができず、昨季はトップ4から陥落したことで19シーズン続いていたUEFAチャンピオンズリーグ出場を逃した。今季も苦しい戦いが続いており、ベンゲル監督の手腕への信頼は失われつつある。それでも懸命にクラブのためを思って戦うベンゲル監督は、今後どれだけ数字を伸ばしていけるのか。“ミスター・プレミアリーグ”となった男の戦いはまだまだ続く。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文　text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images