「賢人は歴史を語る」 名将・小嶺監督が選択した“二つの初めて”と直面する“壁”
普段FWでプレーする柏木を公式戦で初めてセンターバック起用
全国の舞台、それも大きなプレッシャーのかかる初戦で初めてのことをいきなり試す。長崎総科大附(長崎)の名将・小嶺忠敏監督は、31日の第96回全国高校サッカー選手権大会の1回戦、中京大中京(愛知)戦に「二つの初めて」を持ち込んで3-0の勝利を収めていた。
一つ目の初めては、DF柏木澪弥のセンターバック起用だった。普段はFWでプレーする選手であり、「公式戦で初めてセンターバックで使った」という。中京大中京の猛攻の前にピンチこそ多かったが、最終的に完封してしまうのだから采配が的中したと言える。
その一方で、二つ目の初めてにはほろ苦い結果もあった。2年生DF島田蓮平をスタメン起用したが、前半13分で交代の決断を下すことになったからだ。
「練習試合で良いものだから。僕が馬鹿だったということになるんだけど(笑)、クロスは天下一品の選手なんだけど、その前に小さなことでミスをしてしまって頭が混乱してしまった。ここが傷口になって破綻すると感じましたし、これ以上混乱させたらかわいそうだと。でも、こういう経験で進歩しますから」