「前半途中に足をつって…」 選手権開幕戦の緊張感に苦闘、佐賀東が勝利を引き寄せた要因とは

「日本一を目指すにはこういった展開も…」

 続いて守護神として最後方から見守っていた陣内だ。「緊張からか、前半の途中に足をつってしまいました」と大舞台のプレッシャーがあったことに苦笑しながら、こうも続けている。

「個人的には『一つひとつのプレーを観客の皆さんに見てもらおう』と考えて臨みました。序盤こそ押されましたが、チーム全体でもボランチの小野(真稔)が気を利かせてボールを散らしてくれたり、石橋(翼)にボールが入った時点でリズムがつかめてきました」

 序盤こそ関東一のハイプレッシャーに受ける立場となったが、陣内ら守備陣の落ち着いた対応もあって、前半を無失点で切り抜けた。すると後半5分にFW中里知己のヘディングシュートで先制、そして前述した都渡のミドルで勝負を決めた。その戦いぶりはティーンエージャーながら、逞しさを感じさせた。

「日本一を目指すためにはこういった展開もあります。開幕戦は、いい経験になったなと思います」

 緊張感の中で結果を残せば、付くものは自信だ。佐賀東イレブンにとって、この1勝は大きな価値を持つだろう。

【了】

茂野聡士●文 text by Satoshi Shigeno

フットボールゾーンウェブ編集部●写真 photo by Football ZONE web

 

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