「前半途中に足をつって…」 選手権開幕戦の緊張感に苦闘、佐賀東が勝利を引き寄せた要因とは

選手、監督が語った“特別な一戦”への臨み方

 戦いに臨むピッチに入った瞬間、目に飛び込んでくるのは1万2195人の大観衆。それが全国高校サッカー選手権の開幕戦となれば、普通の高校生なら“ビビッて”当然だ。それでも、そんな環境下の中で佐賀東(佐賀)は2-0で関東一(東京B)を下して初戦突破を決めた。選手や監督が明かした“特別な一戦”への臨み方とは――。

「やっぱり最初は緊張しました」

 佐賀東の選手が異口同音に発した言葉だ。2年連続10回目の出場、過去には高校総体で二度のベスト4進出経験を持つ同校だが、開幕戦はそうそう戦う機会が巡ってこない。それに加えてこの日は地元・東京の関東一相手ということもあり、同校の応援団が数多く駆けつけた。

 最後方で守っていたGK陣内晃一も「観客席を見たら満員でしたからね……大アウェーの雰囲気でした」と、この時点で空気に呑まれても致し方ない。しかしチームを率いる蒲原晶昭監督は、試合前から万全の準備を施していた。

「選手権の雰囲気を完全に見せないというか(選手たちに)気にさせただけです。選手が会場に入る際も写真撮影があるということだったので、ギリギリを逆算して入っていきました」

 選手たちもこの日は戦術面より、メンタル面の働きかけが大きかったと感じているようだ。まず、この日2点目のミドルシュートを決めたDF都渡倭は「自分が思っていたよりは緊張しなかったです。蒲原先生から『会場のざわつきはあると思うが、そういったものは意識的にシャットダウンして、自分たちの試合だけに集中しろ』と言われていました」とのメッセージを胸に戦いきった。

 

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