仙台の守護神が横浜FMとの古巣対決で見せた笑顔の真意

古巣サポーターからのコールに「マリノスは温かいですね」

 ベガルタ仙台は12日、敵地の日産スタジアムでJリーグ第5節、横浜Fマリノス戦を戦い、1-1で引き分けた。仙台の守護神を務めるGK六反勇治は、昨季まで所属した古巣との対決で幾多の決定機を防ぎ、勝ち点1獲得に貢献した。

「本当は勝ってあのコールを聞きたかったな」

 日産スタジアムへの凱旋を果たした六反は試合後、悔しさを滲ませながらも、誇らしげな表情を浮かべていた。

 2012年に横浜FMに加入。しかし、正GKの座を勝ち取るには至らず、昨季の公式戦出場試合はわずか2 試合、リーグ戦に関しては1度も出場機会がなかった。

 出番を求め、今季から仙台に移籍した男は、古巣との対決でその闘志を見せつけた。

 1点リードで迎えた後半39、44分での横浜FMの決定機にもビッグセーブで応戦。試合終了残り1分のところで相手DFファビオにスーパーゴールを決められ同点弾を許すも、その存在感は際立っていた。

 仙台はこれで開幕後5試合負けなしで順位も4位と好調な出だしとなっている。それでも六反は「ああいう局面でゴールを防げなければ、勝ち切れるチームにはなれない」と厳しい口調で語った。

 しかし、試合後も六反に盛大なコールを送っていた古巣サポーターについて尋ねた際、その表情に笑顔が灯った。

「他のチームに移籍しても、あのような声援を送ってくれるのは嬉しい。マリノスは温かいですね」
    
 仙台で正GKとして新たな一歩を踏み出した男は、古巣からの愛情に感謝を示した。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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