ブックメーカーのオッズ

　５月２３日付の英大手ブックメーカー『ラッドブロークス』のオッズによると、イングランドはウルグアイと並ぶ11番人気の29倍。やはり人気はブラジル4倍、アルゼンチン5.5倍、ドイツ6.5倍、スペイン7.5倍の4強に集まっており、イングランドと４強の間には、ベルギー、フランス、ポルトガル、イタリア、コロンビア、オランダの6か国が挟まっている。

　死の組グループDの１位通過オッズを見ても、イングランドはイタリア2.625倍、ウルグアイ2.8倍に続く3.2倍。ブックメーカーのオッズ通りならグループ戦で消えてしまう。

　しかしルーニーはきっぱりと「優勝を狙う」と口にした。もちろん、エースのこの一言だけでイングランドの評価を優勝争いまで持ち上げることはできない。

　けれども、恐れを知らない若手がその潜在能力以上の力を出し、そこに絶好調のルーニーが加わったらどういう結果になるのか。

　ヒステリー型で知られる英メディアもさすがに今回は優勝争いに加わるのは難しいと観測して、これまでの報道はかなりおとなしい。

　期待が少ない分、プレッシャーも軽減されて、若き獅子たちがスピードと体力を生かし、解き放されたように攻撃的なサッカーを展開する可能性はある。

　イングランド優勝29倍。ルーニーの得点王オッズはさらに高く、17番人気の41倍。英国在住歴20年目のよしみでルーニーの言葉を信じ、一口のってもいい高倍率ではある。

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森昌利●文　text by Masatoshi Mori