“DAZNマネー”でJ移籍市場は変わるのか 代理人が予測「若手日本人の移籍が活発になる」
移籍市場における本来の「あるべき使い方」
高額な移籍金が飛び交う欧州サッカーシーンとは異なり、近年の国内移籍市場では違約金のかからない契約満了選手の獲得、いわゆる“ゼロ円移籍”が主流となっていた。だが今季から上位クラブが多額の補強資金を手にしたため、複数年契約選手を獲りにいく動きが活発になる可能性があるという。
「もともと複数年契約中の選手は違約金がかかるから獲れないと、原則リストアップしていない。でも、これだけのお金が入るなら移籍金を払って獲りにいこうよと。こうした動きは、“DAZNマネー”によって起きることだと思います。
複数年契約を結ぶ有能な日本人選手を、お金を出して獲る――。それこそが移籍市場における、本来のあるべき使い方ですよね。お金ができたから真っ先に大物外国籍選手を獲るというのは、チーム強化において本質ではありません。あくまで一過性のものであって、チームの継続的な強化という点では、日本人選手を違約金を払ってでも獲るという流れが活発になるのは、移籍市場全体の活性化につながるはずです」
もっとも田邊氏は、日本人選手の中でも年俸が高い選手を獲得する場合、複数年契約となり、数年間にわたって高額な支出が必要となるため、クラブ側が“DAZNマネー”を原資に獲得に動くのは考えにくいという。そうなると自ずと活性化するのは、年俸額の低い将来有望な「若手選手」だと見ている。
「2016年に鹿島アントラーズが三竿健斗選手を東京ヴェルディから獲得したような移籍が、“DAZNマネー”によって起きるかもしれません」と、例を挙げた田邊氏は続ける。