「自分たちの戦い方がピタリとハマった」

　日本撃破に貢献したチョン・ウヨンは、日本の守備ラインの印象について訊くと、「昌子源選手はフィジカルもいいですし、パスの能力も高い。植田直通選手がサイドバックに配置されていましたが、とにかく韓国の長所を消そうとしていたようです」と語った。もっとも、試合については「ただ、自分たちの戦い方がピタリとハマりました。キム・シンウク先輩のポストプレーと空中戦からセカンドボールを拾ってからの攻撃が上手く機能したと思います」と振り返る。

　それにしても、日本を相手に4ゴールを決めて大勝できると想像していたのだろうか。

「正直に言えば、北朝鮮や中国戦よりも、“韓日戦”という特殊性を除けば、自分たちが勝てると思っていました。北朝鮮と中国は引いてくるので、ゴール前を固められると戦い方がすごく難しい。逆に日本は自分たちのスタイルがあるので、攻めてくれば逆に自分たちにチャンスがあると思っていましたから」

　韓国は戦う前から勝利への手ごたえを感じていたという。相手の分析と戦術を徹底したからこその勝利。さらに、チョン・ウヨンが決めた強烈なFK弾は、彼をよく知る日本のサッカーファンに成長を知らしめるには十分な一発だった。

【了】

金 明昱●文　text by Myung-wook Kim

ゲッティイメージズ●写真　photo by Getty Images