なぜ植田は不慣れな右SBで代表デビューしたのか? 本人が明かすハリル采配の意図
かつて武の道を歩いた求道者としての一面も
「22番(FWユー・ダー・パオ)は真ん中にいて僕はあんまり競ったりすることはなかったけど、監督の起用の意味はそういうものに対処するため」
中国は前線に186センチのFWシャオー・ジーや183センチのFWユー・ダー・パオらを起用し、高さを前面に押し出すスタイルで打開を図るなか、日本も対応策の一つとして右SBに植田を配置。試合後、ハリルホジッチ監督は「後ろの選手は中国の選手にパワーで対抗してほしいので、体格の良い選手を選びました」と語っている。結果的に植田は1対1では一定の強さを発揮し、守備で確かな感触をつかんだようだ。
「自分のところにきたものは絶対弾いてやろうという気持ちでいた。チーム全体で弾けたのは良かったと思う」
もっとも本人は「まだまだ。パスミスもあったし、クロス精度を上げれば得点につながるチャンスもあった」と、代表デビューを飾ってもどこか浮かない表情。小学校時代にテコンドーで日本一に輝くなど、かつて武の道も歩んでいた男は、ストイックに高みを目指す“求道者”の一面も覗かせている。
【了】
大木 勇●文 text by Isamu Oki(Football ZONE web編集部)
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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