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来季ファン・ハール監督が率いるマンチェスター・Uの最高と最悪のシナリオ
3年後のギグス監督就任というシナリオ
その見返りとして、ギグスはファン・ハールの後継者になった。
20日付の英各紙の見方も、3年後にギグスに政権譲渡という点で一致している。
つまり、マンチェスター・Uにとって最高のシナリオは、モイーズが崩壊させたマンチェスター・Uをファン・ハールが3年で立て直す。その間、ギグスが、モウリーニョが90年代後半のバルセロナでオランダ人闘将から帝王学(英大衆紙ザ・サンによると、その傲慢な振る舞いが最も顕著に受け継がれたというが)を学んだように、ファン・ハールからビッグクラブを指揮する監督術を学び、後を継ぐというものだろう。
62歳という年齢を考えても、ファン・ハール政権が長期に渡る可能性は低い。65歳となる3年後にギグスに監督を譲るという青写真は非常に現実的だ。ギグスが現役引退して助監督に就任するという選択を受け入れたのも、そういった将来が見通せたからだろう。
問題はファン・ハールがチームを立て直せるかということだが、前述したように、ギグスをNO.2に留めることで、選手の掌握も多少容易になり、その可能性もかなり高くなったといえる。
一方、英各紙の報道を見ると、ファン・ハールが自ら「私は結局のところ私でしかない。自信家、傲慢、支配的、正直、働き者、そして革新的だ」と、自身の性格を語ったコメントを一斉に引用して、オランダ人老将の独善的な性格を不安視しているものも多い。
しかし、ファーガソン監督と同型の断固とした独裁者タイプだけに、案外マンチェスター・Uというクラブにはぴったりとはまるかも知れない。
サポーターもスタッフも選手も、強いリーダーについていくのは慣れている。
またトータル・フットボールの信者であるファン・ハール氏のサッカーは、マンチェスター・Uの「全力を尽くす」というスタイルと決してかけ離れてはいない。
モイーズの失敗にはその守備的なアプローチも大きく、攻撃サッカーの伝統とは合わなかったと言われるが、その点でもファン・ハールのオランダ・スタイルとマンチェスター・Uの相性は良さそうだ。