W杯で日本と対戦も!? 日本人元Jリーガーが語るペルーが“生まれ変わった”舞台裏

 

「ボールを持つと得点の匂いを感じる」

「高地の影響もあり、ペルーはこれまで南米のどのリーグよりもテンポが遅いと言われてきた。でも、今は低地のリマのクラブ同士の戦いなら試合はスピーディー。ハイプレッシャーもかけるし、球際も強い。背丈は日本人と変わらないけど、フィジカルは強いし、相手をイライラさせるような南米特有のテクニック、連係もある。代表も今のチームになって最初の頃は攻撃パターンが限られていましたが、選手個々のレベルが上がったことで戦術にも幅が出てきた。アタッカーがボールを持つと得点の匂いを感じます」

 ペルーは1982年のW杯出場を最後に長年、南米予選を突破することができなかった。「国民の間には、W杯に出場できない不満と、どうせまた今回もダメだろうという落胆の気持ちが常にあった」。そんな世論の変化を澤が感じ取ったのはここ1年だという。

 2年前に始まった南米予選では序盤につまずき、なかなか勝ち点を伸ばせなかったペルーだが、終盤になって勝ち星を重ねるようになると、「テレビやラジオの司会者がみんな代表のユニホームを着るようになり、熱気が伝わってくるようになった。今回こそW杯に行くぞというムードに変わった」(澤)。街も代表一色となり、代表のユニホームを着て仕事に行く人が増え、どの携帯電話会社のスタッフも代表のユニホームを着用。街角のコーヒーショップでも連日、代表の話題で持ちきりだったという。

 国内経済の成長が国内リーグのレベルアップを促し、代表チームも底上げされ、36年ぶりにW杯出場。南米サッカーの勢力図を変えた今回のW杯出場を、澤も地元ペルー人とともに大いに喜んでいる。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

澤昌克、ゲッティイメージズ●写真 photo by Masakatsu Sawa , Getty Images

 

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