「本田はミランに残ることができた」 イタリア人番記者が監督交代劇に見た“もう一つの未来”

「本田はポジティブな貢献ができたかも…」

「このタイミングでガットゥーゾが選ばれたのは、来年6月にアントニオ・コンテ監督を呼ぶため、バトンタッチの過程だと私は分析している。しかし、もしもガットゥーゾが今年6月に来ていたら、本田はミランに残ることができただろう。ミランの選手たちのプレーの多くが、本田より劣ったものだったのだから。本田はミランにポジティブな貢献ができたかもしれない」

 2014年1月の加入以来、本田に対する好意的なレビューを続けてきたイタリアでは稀有な“擁護派”のヴィンチ記者はこのように話す。

 モンテッラ監督の“愛弟子”で、今夏にスペイン代表にも選出されたスソはリーグ戦13試合で5ゴール4アシストと獅子奮迅の働きを見せている。しかし、24歳のレフティーを除くとパフォーマンスが上がらない選手も少なくなく、本田を“ベンチ要員”としたモンテッラ監督の退陣が早ければ、本田残留の可能性はあったかもしれないと見ている。

「メキシコリーグはイタリアではあまり追われていないが、出場機会があったほうがいい。ミランでプレーできないなら、移籍したのは正解だったと思う」

 多くのイタリア人は、“パチューカ本田”を知らないという。しかし、サッカー選手にとってはピッチでのプレーが最重要――ヴィンチ記者は本田のメキシコ挑戦を支持していた。

【了】

倉石千種●文 text by Chigusa Kuraishi

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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