浦和の中盤で輝いた“不屈のシンデレラボーイ” ベンチ外から駆け上がった長澤の原動力とは

「いい準備をしたからこそ走れた」

「もちろん1週間、いつも通り準備はしました。だけど、もっとさらに前、試合に出ていない時にずっとやり続けて、試合で走れるように準備をしてきたわけですし、試合に出るようになってきてからは、より次の試合で走れるようにと自分で調整してきたつもりなので。連戦で疲労が溜まって大変な時期もありましたけど、いい準備をしてきたからこそ、あの時間帯でも走れたんだと思います」

 今や、浦和の中盤に欠かせない存在にまでなりつつある長澤は、ベンチ外からアジア王者の中心メンバーという激動のステップを踏んだ。しかし、ただのシンデレラボーイでないことは、彼の言葉からも明らかだ。

「心が折れて腐っても、試合に出られるわけじゃないから」

 積み重ねてきたものに対するちょっとしたご褒美という形で、長澤に勝利の女神が微笑んだ。

【了】

轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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