復権狙うJ1経験4クラブが激突! 過去5年に見る昇格プレーオフ“準決勝”の傾向
手堅い傾向も名古屋と千葉は打ち合い必至!?
開催初年度の12年以外、すべての試合が1点差ないしドロー決着に終わっている。やはり一発勝負の戦いとなるだけに、堅い展開にならざるを得ないようだ。
この試合の中で、残酷なまでのインパクトを残したのは2試合ある。14年の準決勝、磐田対山形戦の後半アディショナルタイムに、GK山岸範宏(現・北九州)がCKからのヘディングシュートを叩き込んで逆転した。そして昨年も松本対岡山の後半アディショナルタイムに赤嶺真吾が決勝点をゲットし、ファイナル進出を果たした。この劇的勝利が、6位クラブによって成し遂げられたのも興味深い。
上位チームにとって“ドローでOK”という時間帯が長くなればなるほど、1点を守りきるのか、試合を決定づける1点を奪いにいくかの選択が難しくなるのは間違いない。ただ、今回の3位対6位の構図は少々異なりそうだ。
名古屋は今季から就任した風間八宏監督の哲学を表すかのように、J2最多となる85得点。シモビッチ(18得点)という計算できる選手がいるが、青木亮太(11得点)、田口泰士(9得点)、ガブリエル・シャビエル(7得点)と、どこからでも得点を奪える。そして玉田圭司(6得点)や佐藤寿人(5得点)という、百戦錬磨のストライカーがいるのも心強い。
フアン・エスナイデル監督率いる千葉もリーグ3位の70得点をマークし、J2終盤戦で7連勝を達成して昇格プレーオフ出場圏内に滑り込み勢いに乗る。弟・寿人との初の“昇格プレーオフ双子対決”となる佐藤勇人が後半戦からレギュラーに復帰して以降、中盤でチームを引き締める役割を全うしている。名古屋がボール保持を高め、千葉が鋭いカウンターを繰り出す。この展開が続けば、昇格プレーオフ史に残る打ち合いになるかもしれない。