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【サッカー分析講座①】なぜ中田英寿氏はかつて日本の“エース”と呼ばれたのか データから“答え”を導くことの難しさ
中田英寿氏が「エース」と言われていた根拠とは
「エース」とは何か?
野球でエースと言えば4番ピッチャーのように得点を稼ぎ、相手に点を入れさせないためのプレーに直接関与できる選手だと言える。
では、サッカーでは? おそらく多くの人はゴールゲッターをイメージするかもしれない。しかし現役時代の中田氏は決してゴールゲッターではなかった。
プレーヤーとしての自分を想像してもらいたい。楽な試合ではみんなが楽しく好きにボールを回すことは良くある。しかし、ものすごく大事な試合、例えば県予選の決勝戦を戦っているとしよう。そこでは一つ一つのプレーに緊張感がありミスが許されない。そして勝つためになるべく確率の高いプレー、相手に奪われるリスクの少ないプレーを選択するはずだ。当然そのプレーを行うことが出来る選手にボールは集まる。
簡単に言えば、頼りになる奴にボールは集まる。チーム内では誰が一番上手く頼りになる奴かということについては、日ごろの練習を通して身に付いた暗黙の了解のようなものがある。その選手こそが「エース」だという仮説を立てて検証を試みた。
すると、ワールドカップ前の1年間の国際試合のうち、雨のコンフェデレーションズカップやアウェイのポーランド戦等コンディションが悪かったり、厳しい試合ほど、中田選手にボールが集まることが多かった。
分析とは、ある物事を分解して、それらを成立している成分・様相・側面を明らかにすることだ。分解された情報がデータだと言える。「中田ヒデがエース」であることを仮説から導き出したように、様々な事象を分析するために今後、「データ分析講座」を定期的に記していきたい。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web