「パス」に込められたメッセージ ブラジル戦データに見る日本代表の狙いと現在地

1試合のパス総数は1000本前後

 データを入力する時の「パス」の定義は、対戦する二つのチームのうち一方のチームのボールを保持している選手が、同じチームの選手に頭、手を除くその他の部位で自分の保持しているボールを渡すプレーを指す。そのパスは、部位:右足、左足、距離:ショート、ミドル、ロング、方向:バックパス、横パス、縦パス、タッチ数:ダイレクトパス、2タッチ以上、パスの質:浮き球、グラウンダー、さらにパスに意味合いを持たせスルーパス、クロス、その他セットプレーからのパス等に分けられる。そのようなパスというデータが、成功したか否か、そのパスが誰から誰へのパスだったのかも、パスというプレーからその試合で起きたこと、そのチームの特色などを分析するためには重要だ。

 1試合のパス総数は1000本前後だ。その1000本のパスを巡って、ポゼッション率が50%:50%の場合は500本対500本、30%:70%であれば300本対700本という感じでパスが回ることになる。一般的にパスが多く回るチームの方がパスの成功率は高くなる。

 もちろんパスの本数が多いチーム、成功率が高いチームが試合に必ずしも勝つわけではない。ただし、そのデータを見ることで、対戦した2チームがどんなスタイルを志向していて、その試合で実際にどんな現象が起きていたかを読み解くカギにはなる。

 まだ記憶に新しいという意味で、11月10日にフランスのリールで行われた日本代表対ブラジル代表の試合をパスのデータから分析してみたい。結果はブラジル代表が3-1で勝利した。

 

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