千葉“奇跡の7連勝”を呼び込んだ要因 ハイプレス&ハイライン戦術はいかに熟成されたか

外国人監督がJクラブを率いて直面する難題

 しかしプロとなれば話は別だ。少なくとも、そのシーズンのうちにそれなりの成果を出せなければ“納期遅れ”ということになる。エスナイデル監督の場合は、ギリギリで間に合った。

 外国人監督が日本のチームを率いる時に難しいのは、監督の指示はよく守ってくれる半面、必要な時に監督の指示を無視できないことだ。監督は自らの戦術実現のために選手に要求をする。ただ、試合の中では忠実に指示を守るだけでは負けてしまう場合もある。育成年代ならそれでも仕方ないが、プロは目の前の試合に勝たなければならない。一時的に監督の要求を忘れて、勝つためのプレーをすべき時もある。ところが、日本の選手はだいたいそういう判断をすることが苦手なのだ。

 1997年にアルゼンチン人のカルロス・パチャメ監督がアビスパ福岡の指揮を執っていた時、監督は徹底したマンツーマンを指示していた。ところが、マンツーマンを徹底した挙げ句に失点すると、「なんでマークを受け渡さないんだ!」と怒っていたという。

 選手からすれば、指示どおりやって怒られるのは理不尽に違いない。ただ、パチャメ監督にすれば、失敗すると分かっていることをなぜやるのか理解できない。プロなんだから、その場の状況で判断できるだろうというわけだ。

 

page1 page2 page3

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング