千葉“奇跡の7連勝”を呼び込んだ要因 ハイプレス&ハイライン戦術はいかに熟成されたか

最終節の後半ATに決勝点 “エスナイデル流”を貫き6位でJ1昇格プレーオフに進出

 奇跡的とも言えるJ1昇格プレーオフ進出が決まった19日のJ2最終節、ジェフユナイテッド千葉のフアン・エスナイデル監督は、後半アディショナルタイムの決勝点で横浜FCに2-1と勝利した試合後、7連勝の要因を聞かれてこう答えている。

「チームは私の要求をほとんど実行できています。また、私の言うことだけをやっているわけではない。やりたいことが(監督と選手で)合致している状態にあり、あとはありったけの情熱をぶち込んだ結果です」

 新しいプレースタイルを作っていく過程では、監督の意向と勝つための必要性が噛み合わないことがよく起こる。千葉に関しては、当初はハイプレスとハイラインの戦術のメリットよりデメリットのほうが目立っていた。当面の試合に勝つには、そこまでハイプレスもハイラインも必要ではない、むしろ大きなリスクだった。ただ、最終的にプレースタイルが確立されると、どちらもメリットに転じている。

 スタイルとかフィロソフィーの話になると、「じゃあ、負けてもいいのか」という反論が必ず出てくる。育成年代に関して言えば「負けてもいい」と思う。選手はまだ成長過程なので、それが成長に資するものなら当面のリスクは負うべきだからだ。負けるためにやっているわけではないが、やがて勝つために必要ならそれは投資である。

 

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