横浜FMの息を吹き返した本職FWの途中投入

伊藤投入で連動性増す

 横浜F・マリノスは28日、ナビスコカップ第2節で清水エスパルスと対戦し、2-0で勝利した。前半に清水に圧倒された横浜FMが後半に息を吹き返した背景には、ある選手の途中投入があった。

 伊藤は、監督に「とにかく、やってこい!」と言われてピッチに送り出されたという。

 2トップを形成するのはFW斎藤学、アデミウソンだが、どちらも生粋の最前線タイプではない。それが横浜FMの得点力不足にも繋がっていた。

 しかし、この日見せた伊藤のプレーは、横浜FMに希望の光を差し込ませるものだった。

「伊藤に期待したのは、くさびのコースを作る動きだ」

 エリク・モンバエルツ監督は試合後、停滞した状況の打開を、最前線を本職とする伊藤に託した。

 伊藤が後半9分に投入されると、チームの攻撃は連動性を増し、清水を制圧。前半はシュート数わずか1本の横浜FMだが、最終的には12本。相手GKも終了間際に退場し、完勝となった。

 象徴的だったのは後半44分のプレー。伊藤が中央でくさびとなると、アデミウソン、斎藤とワンタッチでつなぎ、フィニッシュまで持ち込んだシーンだ。

「近い距離感でプレーできていたからこそ生まれたプレー。ああいったプレーができるのは楽しい」

 監督が目指す連動的なパスサッカーを体現できたその瞬間を、伊藤は笑顔で振り返った。

【了】

サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

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