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36年ぶりW杯出場の“伏兵”ペルー 元Jリーガーが語る「南米一の強靭な精神力」とは
「南米のどの国よりも過酷な環境」と断言
飛行機の本数も少なく、アンデス山中にある空港は霧に包まれれば欠航になることも珍しくないという。標高3300メートルのワンカーヨという街からの帰りには飛行機が2日続けて欠航し、選手同士でタクシーをチャーターしてリマまで帰ったが、4800メートルの山を越えなければならず、動悸、息切れがひどく、中には吐く選手もいたという。
また、高地だと消化機能が低下するため、食事面でも細心の注意を払わなければならない。チームでは標高に応じて食事のメニューを変えており、高地では胃への負担を考慮して食物繊維の多いものや大きな肉は食べず、パスタやスープなどの胃に優しいものが中心になるという。ただし気圧が低いため水の沸点が低く、普通の鍋でパスタを茹でると低地よりも時間がかかるため、麺は水分を吸ってブヨブヨ、圧力鍋を使った料理でなければ美味しさは追求できない。
ペルー代表でレギュラーを務める選手の多くは国外組だが、FWパオロ・ゲレーロ(フラメンゴ)とMFレナト・タピア(フェイエノールト)以外は、全員が過酷な国内リーグの経験者。澤は「南米のどの国よりも過酷な環境で試合をやってきた経験の積み重ねが、プレッシャーのかかる南米予選や大陸間プレーオフを戦う上でも絶対にプラスになったと思う」と、強い精神力で36年ぶりのW杯出場を決めたペルーの選手たちを讃えた。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
澤昌克、ゲッティイメージズ●写真 photo by Masakatsu Sawa , Getty Images