ベルギー戦の善戦はW杯躍進を“保証しない” 日本に求められる「ポット2&3」に勝ちきる力
W杯に向けて攻撃オプションをいかに持つか
クリエイティブな選手が必要になるが、そうすると守備力を維持できないのが悩みである。ベルギー戦では森岡亮太と乾貴士の投入でチャンスを作れていたが、二人代えないと攻撃を加速できないとすると、守備のリスクはより増大する。ただ、どちらか一人ではブースト不足になりそうだ。
バヒド・ハリルホジッチ監督はこのあたりの見極めが上手いはずだが、それでもイチかバチかのギャンブルにはなる。ギャンブルになる前に相手がミスしてくれれば、守備重視のままリスクを冒さず試合を終えられるかもしれないが、それはもう運次第だ。
どちらにしても、W杯で運は必要。毎回一つや二つはできる「死のグループ」に入れられたら、相当厳しいことは目に見えている。ブラジルは日本のミドルゾーンからのハイプレスへの切り替えを誘って、MFとDFの間に広がるスペースを狙っていた。ベルギーは単発的にチャンスを作っていたが、ブラジルほどの狙いはなかった。強豪国の中でもなんとかなるチームと、どうにもならないチームがあるわけだ。どれが来るかも運次第。どうにもならないのが、2チーム来てしまう可能性もある。
守備にメドがついたが、「ポット2」と「ポット3」クラスに得点できるかどうかは分からない。攻撃のオプションを持たなければならない。これは運ではなく実力の問題。3月の課題になる。
【了】
西部謙司●文 text by Kenji Nishibe
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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