取材歴の長いブラジル人記者4名が日本代表に賛否両論 ハリル流の可能性と課題とは?

「守備のシステムを改善する必要がある」

 守備についても、賛否両論だ。前出のナダウ氏曰く「日本代表でポジティブなのは守備の良さ。良いGKがいる。センターバックも強い。その前で相手を封じ込める中盤の選手たちも強い。戦術的にも良く統率されている。日本は攻撃サッカーを信条としていると聞くが、世界サッカーにおける立ち位置からして、現時点での日本に必要なのは強固な守備だ。それが良いところまできている」

 しかし、その守備に注意を促すのが、攻撃を高く評価したロゼッチ記者である。

「最高レベルの相手と戦う時には、守備のシステムを改善し、チームプレーをもっと良くオーガナイズする必要がある。攻撃でプレッシャーをかけようとする時に、守備の弱さが露呈した」

 カイターノ氏も「日本の選手たちの戦術への忠実さは称賛に値するし、フィジカル的にも良い。だから監督は戦術的に、もう少し守備に注意を払ってトレーニングできるはずだ」とする。

 チッチ監督が指揮するブラジル代表にとって、初めてのアジアサッカーとの対戦。しかも、ワールドカップ常連国になりつつある日本が相手とあって、ブラジルメディアも、その戦いに注目していた。それだけに試合を見ての率直な意見は、いずれも興味深いものとなった。

【了】

藤原清美●文 text by Kiyomi Fujiwara

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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