本田、香川、岡崎の処遇は? 日本代表の欧州遠征で見えた“ビッグ3”の生き残る道

長澤の台頭もあり香川はより厳しい状況に

 トップ下やインサイドハーフを主戦場とする香川はブラジル戦をスタンドから観戦し、DF槙野智章が「待っている」とメッセージを送った。だが、ポジション争いは混沌としている。ブラジル戦でトップ下起用されたのは無尽蔵のスタミナとボール奪取力に定評のあるMF井手口陽介だ。相手がブラジルということもあったが、指揮官はトップ下に必ずしも攻撃能力を求めておらず、香川にとっては厳しい状況が一層浮き彫りとなっている。

 中盤は長谷部誠、山口蛍、井手口らがトライアングルを形成する形がベースとなっており、中盤の底にアンカーを一枚置くか、ダブルボランチにするかは相手に応じての判断となる。残るメンバーを見ると、MF倉田秋とMF長澤和輝はドリブル打開力に加え、守備力と走力も備えており、やはり攻守両面で貢献できるタイプだ。比較的香川に近いタイプのMF森岡亮太は、欧州遠征で2試合とも起用されたが、結局大きなインパクトを残せずに終わった。

 香川が生き残るためには、指揮官が求める守備のタスクをこなしたうえで、攻撃で決定的な働きを見せることだろう。裏返せば、攻撃面で圧倒的な存在感を示せない場合、本大会で落選の憂き目を見る可能性もある。

 岡崎が起用されるセンターフォワードは、すでに大迫という絶対的な軸が存在しており、先発の座を奪い返すのは困難か。現状ではバックアッパー入りを狙う立場となるが、今回の遠征メンバーから漏れた武藤嘉紀をはじめ、欧州遠征に招集された杉本健勇、興梠慎三らも控えている。国内組の杉本らは12月のE-1選手権で振るいにかけられる形だが、彼らが落第と判断された場合、岡崎に代表復帰の芽が再び出てくるだろう。

 

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