次代の五輪選手を育てるには “ドリームチーム”を経験した男が考える育成論
成長する上で重要な要素は「基礎」と「考えること」
今は水分補給の重要性は常識になっています。プロの世界で僕も学びましたし、しっかりと水分を摂らなければ、試合の最後の場面で足が伸びない、クロスをカットできない。そういう場面が出てきてしまいますからね」
こう振り返る三浦さんは現在、中学、高校の部活動の競技力アップをサポートしている。
今月は千葉県内の麗澤中学・高校で、大塚製薬が企画した「ポカリスエット ブカツ応援キャラバン」に参加。これは2020年に開催される東京五輪に向けて競技レベルを高めるための施策の一環で、サッカー以外にも、元女子プロテニス選手で世界4大大会に出場経験を持つ小畑沙織さんら著名アスリート6人が「ブカツレジェンド」として名を連ねている。
そこで三浦さんら著名アスリートは部活動に励む約200人の中高生に1時間半、熱心に指導。その後も「ブカツのミカタ」公式サイト上で、著名アスリートが生徒からの質疑応答に応じるなど、次代のアスリート育成と部活動のレベルアップに向けて幅広い育成とサポートを展開している。
将来オリンピアンを目指す上で中高生年代に必要なことは基礎トレーニングだという。
「確実に基礎ですね。もし、基礎がうまくなかったら、プレーの確率は低くなりますし、成長のスピードも遅れます。日本代表や五輪代表選手はインサイドパス1つとっても、質が違う。試合で最も多く使うプレーはインサイドパスです。止めて蹴るという基礎、ドリブルの基礎。ヘディングの基礎。基礎をしっかりと学ぶ。身につける。そのために考えることが必要。キーポイントは考えること。
部活という環境だからこそ有利な部分は多い。サッカーではクラブチームの方が施設面などの環境は当然いい。でも、環境が整っていない分、メンタルも強くなる。クラブチームの選手以上に何をすれば自分がうまくなるのか、何をすれば試合に出られるのか、勝てるのか、優勝できるのか、ということをより考えることになる。考える力は部活動の方が身につくのではないかな、と思います」
三浦さんは部活動に励む後輩に、基礎技術の重要性を語っていた。地道なトレーニングの積み重ねが五輪への道を切り開くのかもしれない。
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サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web