ベルギー攻略の鍵は? データで解き明かす強豪国の「弱点」と警戒すべき「キーマン」
ベルギーの気鋭ムニエを長友は抑えられるか
ベルギー代表のゴールハンターはFWルカク。しかし、期間内15試合で決めた13得点のうち、ボックス内でのゴールが12得点、しかもその大半が連携や単独での打開ではなく、こぼれたボールを押し込んだことで生まれている。すなわちボックス内までのルートを遮断してしまえば、その脅威は弱められることになる。
MFエデン・アザール(チェルシー)やデ・ブライネも脅威となる存在だが、今回最も警戒しなければならないのは、右のウイングバックでの先発が濃厚なムニエだ。9-0で圧勝したジブラルタル戦では3得点4アシストの成績を収めている。
ムニエ最大のストロングポイントは、「ボールを持つ前から焦点をゴールに合わせている」ことだ。戦術やチームメイトの特徴もあるだろうが、味方の選手やスペースを探すのではなく、常にゴールからの逆算でプレーを選択しているように見える。ウイングバックながら得点を量産できるのも、ゴールへの道筋を常に描いているからだろう。
そのため、ムニエ出場時と不在時では攻撃の形が大きく異なる。左図の通り、ムニエ不在時は左サイドやセットプレーからの得点がほとんどを占める。アザールやFWドリース・メルテンス(ナポリ)、デ・ブライネの影響力の大きさが見てとれる。
それに対してムニエ出場時には、左図を見れば分かる通り、右サイドの割合が格段に増加しており、このサイドアタッカーがベルギーの攻撃の中心となっていることがよく分かる。日本戦で対峙するのは、これまで数々の猛者を相手にしてきたDF長友佑都(インテル)。前回2013年11月19日の対戦時、ムニエは後半34分から途中出場するものの敗戦の笛をピッチ上で聞き、長友は出場機会なくベンチで勝利を見届けた。あれから4年、研鑽を積み続けた両者のマッチアップはこの試合の大きな注目ポイントとなる。