ハリル監督が選手に守備の“自立”を要求 「開始何分でハイプレスという指示は出せない」
「いずれにせよ、走らなければならない」
自分たちが予定したことだけをしようとするアプローチでは、ゲームに勝利することはできない――。ある意味、選手たちを突き放すような発言でもあるが、監督に頼り切るのではなく、自分たちでゲームの流れを感じて、その状況に合わせた適切なブロックの選択を求めている。ハリルホジッチ監督は「いずれにせよ、走らなければならない」とした上で、さらに持論を展開した。
「プレッシングは組織プレーであり、しっかりとしたトレーニングが必要だ。ゲームの読み、戦術、チームへの献身性がなければできない。ハイプレスは良い守り方だと思うが、リスクも伴う。全体に良いポジションからハードワークしなければ、ブラジルやベルギーのようなチームは、そこから抜け出してカウンターでチャンスを作ることができる。いつどのようにプレスをかけるのか、選手にも聞かれましたが、開始何分でハイプレスというような指示は出せません。それはゲームマネジメントです」
約10年前に日本代表を率いた当時のイビチャ・オシム監督は「考えて走れ」という言葉を残したが、ハリルホジッチ監督の言葉も本質的な意味では変わらない。全てにおいて監督の指示を待つのではなく、自分たちで考え、判断しながらハードワークすることが、今の日本代表にも求められている。
奪えると判断した時のハイプレス、危険を感じた時のローブロック、そして中間的なバランスのミドルブロックを、スピード感のあるゲームの中で自ら判断して体現できるか。ベルギー戦は指揮官の檄に応える“自立”のプレーに期待が懸かる。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文・写真 text & photo by Football ZONE web
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