「やり直せるなら…」 中村俊輔がキャリア回想で本音「若い時にスペインへ行きたかった」
「そうは言っても、後悔はしていない」
実際にスペインでプレーしたからこそ分かる感覚もあるのだろう。中村は開けっ広げにスペインへの情熱を口にし、胸の奥に押し込んでいた願望を語った。もっとも、24歳の時に決断したイタリア行きに後悔はないという。
「そうは言っても、イタリアへ行ったことも自分にとって大きなプラスだったし、後悔はしていない。例えば、練習ではチームメイトがファウル気味で止めにくる。ボールを奪うというより、体ごと寄せにくるイメージ。そうした寄せの速さや激しさを日々感じながら練習していたから、それは自分の成長にとってプラスになった」
イタリアで身を砕くほどの努力を重ね、厳しい環境下で揉まれた日々がなければ、偉大なキャリアを築き上げた今の中村はなかったかもしれない。しかし、もし中村俊輔が若い時にスペインへ行っていたら――。サッカーファンなら思わず想像が膨らむ話ではないだろうか。
中村俊輔インタビュー連載「天才レフティーの思考」
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大木 勇(Football ZONE web編集部)●文 text by Isamu Oki
神山陽平●写真 photo by Yohei Kamiyama