日本代表に何が欠けていたのか? データに見るブラジル戦の敗因…王国に勝った項目も
選手の「平均ポジション」に見えた違い
最後に両チームの「平均ポジション」(攻守両面を含む/図)を見ると、大きな違いが見て取れる。日本はGK川島、CB吉田と槙野のみが自陣に位置し、途中出場を含むそれ以外の12選手は全員がハーフウェーライン以上となった。後半反撃に打って出た影響も色濃いとはいえ、前からのプレッシングを普段以上に意識していた結果と言えそうだ。
一方、日本に比べるとブラジルはチームの重心が低く、FWからDFまで各セクションの距離感も狭くなっており、ある種のコンパクトさを維持していた。チッチ監督の就任以降、圧倒的なタレント力に組織というエッセンスを加えた結果が表れているようだ。
日本にとっては、指揮官が狙いとするサッカーを少なからず体現しようと努めていた。実際、日本がブラジルを上回った項目もあったものの、試合の流れに影響を及ぼす項目では総じて下回っており、負けるべくして負けたと言える。
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大木 勇(Football ZONE web編集部)●文 text by Isamu Oki
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images