王国ブラジルの主将が送った日本へのエール 「とても良い戦術で戦っているんだから…」

「もっとチームプレーをオーガナイズできる」

 ブラジル代表はチッチ監督の下で、「キャプテン持ち回り制」という、過去にはない経験をしている。試合ごとに違った選手が務め、これまで13選手がキャプテンマークを受け取り、それぞれのスタイルでリーダーシップを発揮してきた。

 この試合では、ウィリアンが14人目のキャプテンを担当。一般的なブラジル人のイメージとは違い、おとなしく、自分でも「臆病なところがあるし、あまり率先して話をするほうではない」と苦笑いする。しかし、試合後、日本に関して話をするなかでも、リーダーとしてのスピリットを感じさせるコメントを残してくれた。

「日本代表には良い選手たちがいる。スピードのある選手たちもいる。でも、これからももっと成長していけると思う。もっと個々のクオリティーを活かせるはずだし、とても良い戦術で戦っているんだから、もっとチームプレーをオーガナイズできるはずだ。

 どこが改善点だと指摘するのは、僕も選手だから難しい。でも、どの代表チームだって“完璧”ということはないように、僕らもいつでも、もっと成長しようと考えている。日本も、その選手やチームのクオリティーが高いからこそ、彼ら自身、そう考えていると思う。彼らがますます良くなっていくことを願っているよ。そして、また対戦する機会があることを期待したい」

 お互いに成長した姿で、ワールドカップで対戦することになれば、とても楽しみなことだと思える、キャプテンからのエールだった。

【了】

藤原清美●文 text by Kiyomi Fujiwara

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

 

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