闘莉王がハリルJに緊急提言 ブラジル戦完敗を招いた“高校生レベル”の3つのミスとは
「強豪国相手にミスは絶対にしてはいけない」
前半36分の3失点目は、カウンターを仕掛けたブラジルが中央のMFカゼミーロを経由して右サイドに展開。MFウィリアン、DFダニーロとつなぎ、ゴール前を横切るラストパスから最後はFWカブリエル・ジェズスが押し込んだ。この場面でもミスがあったという。
「オーバーラップしてくる相手にはついていかなければいけない、と子どもの頃から教えられているはず。長谷部はついていかなければいけなかったのに、崩された。高校生レベルのミスを犯しながらブラジルと戦うことは難しい」
ウィリアンがボールを持った際、目の前にいたのは長谷部誠(フランクフルト)だった。背後からカバーに来た槙野智章(浦和レッズ)はオーバーラップを仕掛けてきたダニーロにスイッチするようにコーチングしていたが、意思疎通は上手くいかず。結果的にフリーでボールを受けさせ、絶妙なクロスを許してしまった。
「ブラジルメディアも報じていたけれど、(ブラジルは)日本戦をイングランド戦に向けた確認と位置づけていた。ネイマール、ガブリエルも早い段階で下げた。ポジション争いをしている選手を出して、生き残りのためにアピールさせるようにした。日本はもっと点を取られるピンチもあったけど、高校生レベルのミスで失点が続いてしまったことは本当に残念で仕方ない。
ブラジルがある程度、本気でサッカーをしていたのは3点目を取るまで。あとは流していた。そして、守ってカウンターという日本のやりたいサッカーをブラジルにさせてしまった。ブラジルのような強豪国相手にミスは絶対にしてはいけない。そうなれば絶対に仕留められてしまう」
今回の一戦は王国ブラジルと海外で対戦するハリルジャパンにとっても貴重な機会だったが、実りある収穫を手にする前にミスを重ねてしまった。日本代表で43試合8得点という実績を誇る闘将は、かつての戦友と後輩に厳しくも温かい“愛のあるムチ”を入れていた。
【了】
フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images