「それ、取るんだ」 日本最強FKキッカー・中村俊輔が明かす二人の“天敵GK”
解けたカラクリ「よくよく聞いたら…」
「でも、よくよくカミックに聞いたら、壁の下からボールを覗いて、こっちが蹴る瞬間に動くんじゃなくて、自分が助走を踏みそうだなと思ったら、キッカーに分からないように一歩少しずれるという工夫を密かにしていたみたいで」
カラクリが解け、胸のつかえが取れた中村は、新たな発見が嬉しかったのだろう。「GK側も、こっちが知らないところで駆け引きをしていたってことですね」と柔和な笑みを浮かべながら振り返った。
ジーダ、カミンスキーと、いずれも止められたFKの場面を今でも鮮明に覚えているという。「ショックだった」という悔しさが、さらなる成長の原動力であり、“最高の一撃”を追求する貪欲な探究心こそ、中村を世界屈指のFKキッカーたらしめている一つの要因なのかもしれない。
中村俊輔インタビュー連載「天才レフティーの思考」
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大木 勇(Football ZONE web編集部)●文 text by Isamu Oki
神山陽平●写真 photo by Yohei Kamiyama