あの時VAR判定があったら… 英メディア特集「W杯の歴史が変わっていた5つの事例」

アンリの“手トラップ”が反則なら敗退も…

 二つ目は「ファビオ・グロッソのダイブ」。イタリアが世界一に輝いた2006年ドイツ大会で、優勝の立役者の一人となった左サイドバックのグロッソだが、決勝トーナメント1回戦のオーストラリア戦ではシミュレーションの疑惑が持たれている。

 左サイドからドリブルでエリア内に侵入した長身DFは、オーストラリア代表DFルーカス・ニールのタックルを受けて倒れ、主審がPKと判定。進路を塞いで倒れたニールに自ら引っかかりに行って倒れたようにも見えたことから、ダイブの疑惑がかかっている。このPKをFWフランチェスコ・トッティが決め、退場者を出して一人少なかったイタリアが1-0で勝利を収めた。

 3つ目は「ティエリ・アンリのハンド」だ。2010年南アフリカ大会の本戦出場を懸けたプレーオフのアイルランド戦で、フランス代表FWアンリが見せた有名な“神の手”だ。MFフロラン・マルダのFKが流れたところをエンドライン際で手で“トラップ”し、クロスを送ってDFウィリアム・ギャラスが押し込んだ。このゴールが決勝点となったフランスが本大会行きのチケットを確保した。

 ゴール直後にアイルランドGKシェイ・ギブンが審判に詰め寄って抗議したように、明らかなハンドがあったにもかかわらず、判定が覆ることはなかった。今のようにテクノロジーが発達していれば、強豪フランス敗退というシナリオになっていたかもしれない。

 

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング