イタリアがW杯予選敗退の危機… スウェーデンとの欧州PO第1戦に敵地で0-1敗戦
後半にセットプレーからヨハンソンが決勝弾
ワールドカップ4回の優勝を誇るイタリアが、1958年大会以来となるワールドカップ(W杯)予選敗退へ、崖っぷちの危機に立った。現地時間10日の欧州予選プレーオフ第1戦でスウェーデンと対戦したイタリアは、敵地で0-1と敗戦。結果だけでなく、得点の可能性を感じさせる場面があまりにも少ない試合になった。
イタリアはスペイン、スウェーデンはフランスとオランダが同組に入るグループでそれぞれ2位となり、組み合わせ抽選の結果この対戦が決まった。イタリアにとっては1998年フランス大会に向けた予選でロシアと戦って以来のプレーオフになった。
イタリアは現チェルシーのアントニオ・コンテ前監督時代の“遺産”とも言える、3バックの前にアンカーを置くシステムをチョイス。しかし、ビルドアップこそできるものの敵陣での迫力が全くない試合になった。
スウェーデンも慎重な試合の入りをしたため、両チームともに得点の気配なく前半が終了。後半も互いにリスクをかけきれない展開のなかで、ゲームが動いたのはセットプレーだった。後半16分、スウェーデンは右サイドからロングスローを入れると、ペナルティーエリア外にボールがこぼれたところでMFヤコブ・ヨハンソンが右足を強振。ボールはイタリアDF陣に当たってコースが変わり、GKジャンルイジ・ブッフォンの逆をついてゴールに吸い込まれた。
反撃に出たいイタリアは同25分、ショートコーナーからのつなぎでゴール正面からMFマッテオ・ダルミアンが強烈なミドルを放ったが、ゴールポストを直撃。その後はジャンピエロ・ヴェントゥーラ監督がFWを入れ替えるなどの策に出たが、全く状況を打開することはできずにそのままタイムアップとなった。
来年のロシア大会に向けて、W杯優勝経験国ではイタリアのみが出場権を確保できていない。しかも、この第1戦で司令塔のMFマルコ・ヴェラッティが予選通算2枚目のイエローカードを受けたため、ホームでの第2戦が出場停止になった。絶体絶命、手負いのアズーリはロシアへの道を切り開くことができるのか、それとも15大会ぶりの予選敗退となってしまうのか。第2戦の緊迫度がより高まっている。
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フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images