ハリルが挑む「ポスト香川」の賭け 今も解き明かせない現代表で輝けない理由

乾、原口もトップ下のライバルになり得る

 香川はトップ下のファーストチョイスだった。アジア予選の途中でトップ下のポジションそのものがなくなったので(中盤の底にアンカー1人を置き、インサイドハーフ2人が並ぶ構成に変更)、香川を必要としなくなったと考えることはできる。だが、今回の欧州遠征でMF森岡亮太(ワースラント・ベベレン)が招集されているところを見ると、ハリルホジッチ監督がトップ下のポジションを構想外にしたとは思えない。

 また、乾か原口をトップ下で起用するのではないかとも推測している。この2人はハリルホジッチ監督の求める守備力と運動量という条件を満たしている選手たちの中で、最もクリエイティブなアタッカーだ。しかし、どちらも左ウイングなので、同時に使えるのはどちらか1人になってしまう。原口の右サイドも試してみたが、いまひとつだった。2人を共存させるために、どちらかをトップ下で起用するのではないか――。ウイングプレーヤーのトップ下起用は、アルジェリアでのFWヤシン・ブラヒミ(ポルト)の例もある。

 予選のベストゲームだった本拠地オーストラリア戦のMF井手口陽介(ガンバ大阪)、MF長谷部誠(フランクフルト)、MF山口蛍(C大阪)の3人が中盤のレギュラー候補になるだろうが、得点しなければならない状況になれば、少なくとも1人を攻撃的な選手に代えるオプションが必要だろう。それはトップ下ではなくインサイドハーフかもしれないが、いずれにしてもクリエイティブな選手は用意しておきたい。今のところ、MF倉田秋(G大阪)、MF小林祐希(ヘーレンフェーン)、MF柴崎岳(ヘタフェ)、乾、原口、森岡、香川が候補になる。

 ポジションはある。そして実績と能力からいって、香川が候補者の中でランクが低いわけでもない。ではなぜ、重要な強化試合に招集されなかったのか。

 

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