“王国”ブラジルと日本代表 過去11戦未勝利の歴史と「世界最強」に挑む意義

日本が追いすがった05年コンフェデ杯

 その後の対戦も、日本にとっては世界のトップ・オブ・トップを体感できる貴重な機会だが、ブラジルが90分にわたってフルパワーで戦った試合は、率直に言って一つもない。

 初めて敗戦を逃れた01年のコンフェデレーションズカップ(コンフェデ杯)は、ブラジルが1.5軍の陣容だった。両チームともに引き分けで準決勝へ進出できるため、ゲームの熱量も高くなかった。

 様子が違ったのは、05年のコンフェデ杯である。日本、ブラジルともに1勝1敗で迎えたグループリーグ最終戦は、勝者がグループ2位を確保する。ブラジルは引き分けでも得失点差で上回るが、彼らにとって「負ければ失うもののある戦い」が、7度目の対戦でついに実現した。

 果たして、スリリングな攻防が繰り広げられていく。前半10分、ロナウジーニョのドリブル突破からロビーニョが先制点を奪う。同27分、中村俊輔がペナルティーエリア外から左足シュートを突き刺す。同39分、至近距離からロナウジーニョの放ったシュートが、GK川口能活の右手を弾いてネットに吸い込まれる。

 

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