中村俊輔が語る“海外処世術” 日本人選手の課題とは? 「良い子や紳士では生き抜けない」
イタリアで浴びた洗礼、身についた処世術
そうしたサッカー文化の違いに触れた中村は、さらに「例えば…」と前置きしつつ、日々のトレーニングを引き合いに出して海外と日本の異なる点を語る。
「日本では、すね当てしろと言われる一方で、怪我をしないように激しく行くなとも言われる。海外は逆で、すね当てをしないことも多いけど、紅白戦なんかでは、本番と同様にガチガチやり合う。ビッグクラブは試合数が多いから軽いメニューが多いけど、それ以外のクラブは練習でも本気モード。イタリアとスペインはかなり激しかった。特に上半身はガンガンぶつけますね」
チームに在籍する各国の選手が限られたポジションを巡り熾烈な争いを繰り広げるなか、当然トレーニングは激しさを増す。中村もその洗礼を浴びた一人で、当初は日本との違いに戸惑いもあったという。しかし、そうした日々が中村の成長の糧となり、海外で生き抜くための処世術が自然と身についていった。
「海外では、ミニゲームで喧嘩が起こるぐらい毎日の練習がとても激しい。誰かが怒って練習場から出て行くことも年に二、三回はあった。欧州に限らないけど、海外で戦うならばガチガチやり合わないと対等にやっていけない。良い子や紳士では、海外の激しい競争を生き抜けないと思います」