W杯予選“突破後”の日本代表と「海外遠征」 過去3大会に見る強化策の成果とは?

本大会の約1年前から始まる“世界”を見据えた強化 歴代の日本代表はいかなる道を歩んだのか

 ワールドカップ(W杯)予選終了後の強化スケジュールは、大会を追うごとにかなり限られたものとなっている。アジア予選がホーム&アウェーのレギュレーションとして定着し、W杯本大会の前年夏または秋までアジアでの戦いに時間が費やされるからだ。そして近年は、代表戦を組める国際Aマッチデーの回数も減っている。

 ここでは、過去3大会の「アジア予選終了後」から「本大会メンバー発表」までの間に行われた「海外遠征」を振り返りながら、W杯に向けた強化の意義を探っていきたい。

▼2006年W杯(予選終了:05年8月)
05年10月8日 vsラトビア(△2-2)
05年10月12日 vsウクライナ(●0-1)
06年2月10日 vsアメリカ(●2-3)
06年2月28日 vsボスニア・ヘルツェゴビナ(△2-2)

 2006年のドイツW杯へ向かっていくジーコ監督は、テストマッチで“12番目以降の選手”を見定めていった。05年6月のW杯予選突破直後に行われたコンフェデレーションズカップで、欧州王者ギリシャを1-0で下し、ブラジルと2-2で引き分けたことで、ジーコ監督はチームのクオリティーに一定の満足感を得る。同年9月以降はチームの完成度をさらに高めつつ、バックアップ層をテストしていくのである。

 ラトビア、ウクライナとアウェーで対戦した10月には、MF松井大輔とFW大久保嘉人のフィット感を確認した。ウクライナ戦ではCBのバックアップ候補として、国内組のDF箕輪義信を先発で起用している。

 

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