バロテッリを退場から救った男たち 筋金入りのサポーターが取ったとっさの行動

「ほっとけばいいさ」

 リバプールのFWマリオ・バロテッリを退場から救った男性サポーターは、「彼が退場になることを心配した」とファインプレーを振り返った。地元紙「リバプール•エコー」が報じている。
 スタジアムの1列目に座っていたショーン・レザーバローさんは嫌な胸騒ぎがしたという。後半34分、タッチライン際の競り合いでバロテッリが相手DFクリス•スモーリングに突き飛ばされ、高架区間版にたたきつけられた。
「彼が退場になることを心配したんだ。スモーリングがマリオをピッチ外に突き飛ばすのを見て、マリオが彼をつかもうとした。私は彼が反応しよ うとすることがボディーランゲージで分かった。彼がすでに1枚イエローカードをもらっていた」
 レザーバローさんはとっさにスタンドから身を乗り出した。スモーリングに猛然とつかみかかろうとするバロテッリの腕をつかむと、反撃を未然に食い止めた。さらに、隣の席で一緒にバロテッリの爆発を抑えたサポーターは普段、アンフィールドの警備に当たっている警察官だったという。
 そして、「落ち着け、ほっとけ、ほっとけばいいさ」とレザーバローさんがなだめると、激高していた悪童ストライカーは「OK、OK」と平静を取り戻した。彼らのファインプレーは、ピッチとスタンドの距離が近い臨場感あふれるプレミアだからこそ起きたと言えるだろう。
 
「私は5フィート8(身長170センチ )だけど、彼は巨体なので彼の腕をつかむのに苦労した」
 レザーバローさんは、ACミランを撃破した2005年のイスタンブールでのUEFAチャンピオンズリーグ(CL)決勝や、07年にミランに敗れたアテネでのCL決勝、05年の東京で行われたトヨタカップも現地観戦した筋金入りのサポーターだ。
 しかし、彼らの貢献もむなしくリバプールは1-2で敗れた。
 だが、チームはFWダニエル・スターリッジとFWアダム・ララーナが故障離脱しただけに、バロテッリを出場停止から救ったことは、シーズン終盤に大きく生きてくるかもしれない。
【了】
サッカーマガジンゾーンウェブ編集部●文 text by Soccer Magazine ZONE web
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング