C大阪“初タイトル”にレジェンドも歓喜! 「“勝負弱い森島”と言われていたけど…」
“ミスター・セレッソ”森島寛晃氏が後輩たちの快挙を讃える
“ミスター・セレッソ”は、初タイトルの歓喜に沸く選手たちを幸せそうな笑みで見つめていた。4日のルヴァンカップ決勝で川崎フロンターレに2-0の勝利を収めたセレッソ大阪で現役時代を戦い、今はクラブの職員である森島寛晃氏は「セレッソのチャンピオンが本当に嬉しい」と喜びの声を残した。
現役時代、プロ化する前のヤンマー時代からセレッソ一筋でプレーしてきた。1998年と2002年には日本代表としてワールドカップの舞台にも立っている。「モリシ」の愛称で小柄な体ながら、常に全力でプレーする姿は、名実ともに「ミスター・セレッソ」であり続けた。それでも、ステージ優勝を1回、1シーズン制のリーグ優勝を1回、天皇杯を2回に渡って目前で逃し、遂にC大阪でのタイトルには手が届かないまま08年に現役を引退していた。
その森島氏の姿は、決戦の埼玉スタジアムにあった。クラブスタッフ用の席も用意されたアッパースタンドの記者席から、勝利を決定的にした後半アディショナルタイムの2点目までを見届けると、足早にピッチへ向かった。そして、選手たちやサポーターとともに喜びをともにした。選手たちから優勝カップを渡されたが「持ち方が分からなかった」と笑った。
それでも、その喜びは全く色あせることがなかった。森島氏を胴上げしようとした選手たちから「重い」と言われてドタキャンされるという一幕もあったが、その姿を見つけたサポーターたちからコールもかけられ、感慨深げにセレッソの優勝を味わっていた。
「みんな良い表情で、サポーターも優勝の喜びを表現してくれていてね。今まで『勝負弱い森島』と言われていたけど、それが取れたのかなと。選手たちは自分たちの手で歴史を変えるんだと言っていたし、チームをずっと見ていて、優勝まであと少しのところまで来ていたなかで、勝負強さは絶対あるはずだと信じていました。それを改めて見せてくれたと思います」