川崎が断ち切れなかった“負の歴史”と中村の悔い 「最初の1点」で揺らいだ“平常心”
「1点は仕方ないけど得点できなかったのは…」
「向こうは割り切って守備に入って、死に物狂いでその1点を守ろうとしてきたこと。前半からチャンスっぽいものはあったけど、ゲームの構図がそうなってしまった。1点は仕方ないけど、得点できなかったのは悔しい。自分もそうだけど、決め切るところ、シュートの場面で冷静にならなければいけなかった。焦りがないとは言えないと思うけど、自分たちのバイタルに入れたボールを潰しに来ていた。向こうは常にそこを狙っていたので、こちらは神経質になるし、向こうは狙いやすくなる。最初の1点で、そういう構図にしてしまった」
普段通りにやれば勝てるはずが、普段通りにやらせてもらえないのが決勝戦。これで中村がルヴァンカップで、勝者がカップを掲げる姿をピッチから見上げるのは4回目になった。強いチームと優勝するチームの違いという、川崎に突きつけられている“永遠のテーマ”への回答は、またしても先送りとなってしまった。
【了】
轡田哲朗●文 text by Tetsuro Kutsuwada
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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