C大阪“主将”柿谷、悲願の初戴冠への歓喜と悔しさ 「最後までみんなと戦いたかった」
「自分への不甲斐なさが残る試合でした」
この日、ユン・ジョンファン監督は試合終盤まで交代枠を使わなかった。初めてカードを切ったのは後半39分のこと。高さのあるMF山村和也とともに交代ボードに掲げられた数字は「8」、すなわち柿谷との交代だった。
「最後までみんなとピッチで戦いたかったですね。個人的には(最後までピッチに)立つべきだと思っていましたし。それができなくて、自分への不甲斐なさが残る試合でした」
それでも昨季J2で昇格プレーオフを含めて満身創痍ながらもプレーを続けた姿は、持ち前のイマジネーションとともにセレッソを応援する人の心を捉えている。実際、このコメントの後に柿谷は「ただ、まあね、これだけ注目されたなかで勝てたのは良かったと思います」とも話している。
だからこそ、チームとしての明確な結果と自らの理想とするプレーの両立こそが、これからセレッソがさらなるタイトル獲得を目指すクラブになるため、柿谷自身がこれから探求するテーマになるのかもしれない。
【了】
茂野聡士●文 text by Satoshi Shigeno
ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images
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