観客にハイキックの元仏代表DFエブラ、前代未聞の行為で解雇危機 クラブが処分か

ELギマラエス戦、ウォーミングアップ中に乱入した観客にハイキックを見舞う

 UEFAヨーロッパリーグ(EL)の試合前のウォーミングアップで観客にハイキックを見舞うという前代未聞の行為を行ったマルセイユの元フランス代表DFパトリス・エブラが、解雇の危機にあるという。フランス紙「レキップ」が報じている。

 エブラは現地時間2日、ELグループステージのギマラエス戦で、ウォーミングアップ中に乱入してきた観客にハイキックを見舞った。チームメイトの日本代表DF酒井宏樹なども制止に入るなかで、高く上げた左足はクリーンヒットした。公式記録上は「0分での退場処分」という事態となった。

 これを受け、フランスサッカー協会とリーグ機構は11月10日の規律委員会でエブラの処分を検討するという。過去の事例として、マンチェスター・ユナイテッド所属時代の元フランス代表FWエリック・カントナが観客にカンフーキックを見舞った有名な事件での出場停止処分が8カ月間だったという事例を紹介しているが、クラブ側は処分を待たずに独自の動きを見せているという。

 それはエブラを契約解除により解雇するというもの。これまで、ユナイテッドやユベントスといった名門クラブを渡り歩いてきた実力者も36歳となったが、2010年南アフリカ・ワールドカップではフランス代表において選手たちと当時のレイモン・ドメネク監督の対立に端を発した大会期間中の練習ボイコットの首謀者であるとも現地メディアで断罪されるなど、少なからず問題行動はあった選手だ。

 仮に解雇となれば、年齢的にも今回の行為の重大さからも、現役続行に黄色信号が点灯することになる。冷静さを失ったハイキック一発は、そのキャリアを閉ざす最後の一蹴りになってしまうのかもしれない。

【了】

フットボールゾーンウェブ編集部●文 text by Football ZONE web

ゲッティイメージズ●写真 photo by Getty Images

page 1/1

今、あなたにオススメ

トレンド

ランキング