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開幕時から実に17倍の8000億円超に プレミアリーグの放映権料はどこまで高騰するのか
全世界の212地域に及ぶプレミアリーグのテレビ放送網は契約更新毎に価格が上がり、その高騰はとどまることを知らない。放送権の契約期間は1992年のプレミアリーグ開幕時に5年契約、次契約が4年、その以降は3年契約となっているが、開幕時の放映権料は5年契約で486億円(304百万ポンド、1ポンド160円計算)、マンチェスター・シティの優勝で幕を閉じた今シーズンからの最新放映権料は、開幕当時より短い3年契約にも関わらず約17倍の8314億円(5196百万ポンド)にまで膨れ上がっている。
その内訳を見てみよう。海外放映権料およそ3573億円(2233百万ポンド)の内訳はアジア太平洋地域が44%、英国を除く欧州が24%、サハラ以南アフリカや中東がそれぞれ10%と続き、北米は8%、南米4%となっている。
プレミアリーグの海外放映権料は、圧倒的にアジアからの放映権料が高く、特に国内経済が急成長しているタイからの放映権料の上昇が著しい。前回の契約から急激に上がり、その額およそ323億円に達している。
また、タイだけでなく、他の東南アジアの高騰も顕著だ。例えば、シンガポールは304億円もの契約を結んでおり、香港は244億円、マレーシア222億円と、今や東南アジアからの放映権料はプレミアリーグにとって欠かせない。日本は48億円であることから、いかに東南アジアの国々がプレミアリーグに熱中していることが分かるだろう。
かつて「サッカーの不毛の地」と呼ばれた米国においても年々プレミアリーグに関する関心は高まっていると言えるだろう。米国はNBCスポーツと契約を結ぶことに成功し、前回の契約から2・7倍となる251億円にも上がった。NBCスポーツはこの契約にあたり、米国国内で「English Premier League Soccer」の放送を開始している。
著者がリバプール大学留学中にプレミアリーグCFO(最高財務責任者)の話を聞いた際のことだ。CFOは「中国、インドの大国を除くと東南アジアのマーケットは既に抑えることができている。放映権料もリーグの価値が正当に評価され、それに見合った価格だ」と述べており、プレミアリーグの自信が垣間見えた。また同時に、まだ伸びしろがあるとして、さらなる高騰が見込まれるとのことだ。